2006-07-02

高齢者がパソコンをやらない訳と対策

昨日記事を投稿し終わって、ゆっくり見てみましたら大事なことが欠けていました。高齢者の方がパソコンをやってみたいと言う人が少ないと書きましたが、どうしてかと言うことに触れていませんでした。何をやるにしましても人数と言うのは大きな戦力でして、高齢化率40%~50%と言う地域にあって、この人たちがパソコンやインターネットを使えるかどうかということは大変重要であることは言を待ちません。

約2年間、この地方を回って見ましたが、私が接した人に限ってみますと、皆様非常に興味を示してくれるのですが、子供さんたちに「今更パソコンを覚えて何をするんだ」とか、娘さんが本気になって「余計なことを言わないでください、今でも母が所属団体の仕事で作成する印刷物は私が作っているんです。これ以上仕事を増やさないでください。」とものすごい剣幕で抗議された事もありました。

親としてみますと、忙しく働いている子供たちに迷惑はかけたくないですし、歳を取ったら子に従えと言うことで生きていますから無理の無いことです。

この地方の農家は大変ゆたかで、家を見て見ますと大変豪華な家で、お墓に何千万円もかけているお家もあります。「孫達の教育にもいくらでも出して上げられるのだけれど、孫がその気になって勉強してくれないんだに」と嘆いているお祖父さんお祖母さんもいます。

子供さんたちにして見ましても、今更親に苦労をさせたくないと言う親思いの気持から言われる人がほとんどでしたが、これから先20年もすれば、BRICs(B:ブラジル、R:ロシア、I:インド、C:チャイナ)諸国の追い上げで日本はどうなるか分かりません。そのためにも、いち早く手を打って置かなければならないわけで、中国やインドに勝る研究開発の促進が必要で、パソコン、インターネット活用は必須の課題です。それには裾野の広い環境作りが必要です。昨日の話の中で、企業の幹部や、町村の長老が、パソコンやインターネットで何ができるか理解していないことには遅れていく一方だと書きましたが、町や村の歴史、学校の歴史、家の歴史、本にすることはできなかった様々な研究成果。それらの教訓、研究の形跡を文字として残しておくにはパソコンとインターネットを利用することにより、本にはできなくともだれでもでき公開もできるのです。そして今高齢者が人口の過半数に達しようとしている状況からして、若者におんぶしてもらうのではなく、豊富な過去の経験を活かしてもらう意味でも、パソコン、インターネットに触れて、情報の発信はもとより、収集に力を発揮していただかないと多分地方は力尽きて消えていく所が増えてくると思います。65歳以上のご老人でも力仕事はできなくなっていても、キーボードは触ればいいだけですから、痴呆症にでもならなければいくつになっても使えて活躍してもらえるのです。こう言う状況を作り出せれば、情報技術の上では先端の町村になりますから、取れる戦術の幅もグット拡がります。なにも難しい技術は必要ないのです。パソコンのセットと、インターネットへの接続、厄介な各種設定、対ウィルス対策、ちょっとしたパソコンの故障等を私達のような情報技術屋に任せ、ワープロ感覚で操作するだけの状態を作り出せば良いのです。ご老人も最新技術に触ってみたい、世の中に遅れたくないという思いは強いですし、実際これから戦力になってもらえるかどうかが、過疎地域が生き残れるかどうかの瀬戸際になってくると思いますので、本当にご老人の情報技術対策を立てる必要があると思います。

明日から、阿南窯再生の仕事の中で情報技術でご老人にどのように関わっていただけるか話を進めたいと思います。