2007-08-20

国防省事務次官問題から、日本の観光農業を守るには田中康夫さんのやり方は正しかった

一昨日の新聞各紙と、昨日の田原宗一郎さん司会の自民党・民主党討論会を見ていてすべてに通じていたのは、国政では、国民に選ばれた国会議員がすべて主導でき事務方は、反旗を翻してはいけないと言うことです。確かに政治は遊びや教育の場ではないので、国民の意思に沿って厳格に運営されるべきだと思います。今回の防衛省に関して言えば、事務次官が上司のいない間に、官房長を飛び越えて首相に直談判したというのですから考えられないことだとの意見がほとんどでした。また、防衛大臣が夜中電話したと言うのに、朝かけなおせばよいと電話に出なかったとのことですが、これも、国政それも実力行使をできる緊急時対応の自衛隊事務方トップのする事では到底無いと思います。防衛大臣のやり方に問題があったとは思いますが、特に軍隊においては、命令は絶対であり、もしその命令の内容や命令の仕方が悪ければ、それは閣議、国会、選挙で論議、判断されるべきことであると言うのが筋のようです。

そういう意味では、田中康夫さんは長野県知事時代、逆らう官僚には躊躇無くその場を去ってもらうと言う人事をしていたように思いますが、このやり方は正しかったのだと思います。県知事は県民から選挙に寄って信任を受け、事務方は県民によって信任された知事の意向を県民の意思として受け止め、その命令に従うということが求められると言うのは当然のことだと思います。

私は当時は、官僚でも意見を挟みこむのは大事なことだと思っていたのですが間違いだったようです。県政や国政は、一国も猶予がならない重大な意思決定の連続の場であるというのは当然といえば当然だと思いました。 

日本の観光、農業、農林事業もいろいろの勢力にとって死活問題として利害が対立しますから、長に立つ人たちは、しっかり選挙民の望むところを捉えて、官僚を駆使して選挙民の意思を実現していって欲しいものだと思いますが、その過程では、官僚との間で今回な様なことも多々あると思いますから大変な仕事だと実感せざるを得ません。